大学に入学して最初に入部した文化会の部とは別に、2年生になった頃、もうひとつ別のサークルにも入部した。

部員数は50名くらいだったかな。
活動内容は、とっても特徴的なので・・・もしかしたら、それが元であたしの大学がバレるかも。
なので、ここでは発表しませんが^^
4年生の頃。
あたしの彼氏さまは、卒業後に留学してしまって。
留学後1年くらいは連絡を取り合っていたんだけど、なんとなく音信も途絶え気味になり、自然消滅(?)という流れに入っていました。
(そういう噂はどこから広まるのか・・・)
リサとその彼氏は破局したという説がサークル内の通説になっていました^^;

そのサークル内に、R君という当時2年生の後輩がいました。
東北出身、ご当地では県下一番の進学校出身だそうで。
入部当初は、俺が一番だ!と、とても威勢の良い子でしたが、渡る世間は広いもの。
周りにいるツワモノに早くも飲み込まれ意気消沈。
そのまま幽霊部員になるかと思いきや、見事な転身、筆頭宴会要員に路線変更。
まぁ、とっても元気な子で、実は性格も良いし、あたしの中では高感度No.1の後輩でした。

あたしの容姿がそうさせるのか、性格がそうなのか。
特に男子の後輩からは「姐さん」と呼ばれていました。
それに呼応するように、あたしもそんな男子の後輩に対しては、名前を呼ぶときは呼び捨て^^;
R君も例外ではない。仮に「龍平」としておきましょう^^

ある日、学食で食事をしていた時のこと。
龍平があたしの席の向かい側の空席にやってきた。

「ちーっすっ!」

「姐さん!今度の土曜日ヒマっすか?ケンの家で飲むんですけど。メンバー、俺入れて5人。みんな姐さんにも来て欲しいって言うんで」
「ん・・時間はあるけど」

「マジっすか!!やった!姐さん、なんも用意要りませんから。手ぶらで来てください!」
「そんなわけいくか!後輩の飲みに誘われて、手ぶらで行けるわけないでしょ」

「申し訳ないっす!みんなすげー喜びますよ。じゃぁ、ケンの家に案内しますから、土曜日夕方6時に渋谷ってことでいいっすか?」
「うん。わかった^^いいよ♪」

龍平は声が大きいんだよねぇ。
用件済ませて去っていった彼はいいわよ。
その場に残されたあたしは「姐さん」なんて呼ばれて、しばらく周りからの好奇の目に晒された。

当日、土曜日6時、渋谷。
タンカレーのジン1本、おつまみ数点を購入し、待ち合わせ場所に。

人の目の識別能力というものは、本当にすごいものね。
目の前にいる数百、数千の顔の中から、お目当ての顔を瞬時に見つけるんだもんね。
満面の笑みを蓄えた龍平の顔だけが目に映った。

「お待たせしましたぁ!さ、行きましょう!!」
「んと、どこなの?ケンのお家って」

「たまプラっす。田園都市線ですよ」
「ふーん。そうなんだ。ここからどのくらいかかるの?」

「30分くらいじゃないかなぁ。駅からは近いし、40分後くらいには到着っすよ^^」

電車の中。
田園都市線なんて、しばらくぶり。
用賀に住んでる友達んちに行った時以来かな。

「姐さん、知ってます?ケンと美里って付き合ってるんすよ!」

「ねぇ?龍平は声が大きいんだよぉ^^;公衆の面前で、その姐さん呼ばわりはやめてよぉ^^;」
「あ、ごめんなさい^^;俺、声大きいっすか?」

「声も態度もね」
「態度もっすか!!」

「しっ!マジで、音量落として^^;」
「で?なになに、あの二人付き合ってるの?」

「そうなんすよ。2ヶ月前からなんだって。マジ知らなかったし」
「へぇ・・あたしも知らなかったなぁ」

「今日は美里も来るから、説明してもらいましょう!ところで、姐、いや・・先輩はさ・・彼氏さんと別れたってマジですか?」
「どうもそういうことになってるみたいよねぇ。お互いに、別れよう!って明言はしてないんだけどね・・・。別れちゃったのかもねぇ」

「なんか、ずいぶん他人事じゃないですか^^;彼氏は新しく作るんすか?」
「うーん。別に今は考えてないかなぁ」

「伏目がちでそんなこと言っても、説得力ないですよね」
「うるさいっ!ばかっ!」

「俺は先輩の舎弟ですから。いつでも相談乗りますよ。何でも言ってくださいよ」
「姐さんとか、舎弟とか。極道じゃないんだからさ^^;」

こんな他愛のない会話をしつつ。
だけど、おかげで退屈せずに目的の駅に着いた。

歩いて数分。
ケンのお家に到着。

呼び鈴を押すと、ちょっと赤ら顔のケンが出てきた。

「おう!龍平!あっ!姐さーーん!!」

裸足のまま玄関から飛び出て、あたしに抱きついてきた。
こいつ、もう酔ってるし・・っていうか、美里という新妻がいるのに。

「ほれっ、差し入れ。もうっ!酔っ払うの早いんじゃないのぉ~?いい加減離れろ。こらっ!お座りっ!!」

ケンは、これが好きなのよね^^;
お座り!と言われると、本当にその場にお座りするの。

「おじゃましまぁ~す^^」

「お^^美里ぉ~♪」
「きゃぁ~っ!!リサさぁ~ん^^抱きっ♪」

「おす^^コー♪」
「ちっす!先に飲んでます♪」

「おや^^香奈ちゃんも来てたのねぇ^^」
「待ってましたよぉ^^リサさんと飲むの久しぶり!」

やいのやいの・・で、2時間経過。
この2時間は、ケンと美里が酒の肴^^

「俺が彼氏だったら、絶対に姐さんを放っておかないっす!」
「そう?でも、あたしが龍平を放っておくかもよぉ^^」

「それでもいいっす!」
「っていうか。ねぇ?コーさぁ、何寝てんの?」

コー撃沈。
顔を真っ赤にして壁にへばりついている。

「あたし、そろそろ帰ろうかなぁ」
「ん?香奈んちってどこだっけ?帰り大丈夫なの?」

「結構近いんですよ^^タクっても大した金額にならないし」
「なら安心ね^^えっと・・コー、こいつどうする?」

「とりあえず、起すか?」
「おいっ!コー!起きろーーっ!!」

むにゃむにゃ言いながらコー起きる。

「寝るなら隣の部屋で寝ろぉ」
「シャワー浴びるかぁ?」

周りの声なんて聞こえちゃいませんという感じに、のそのそ起き上がって、お部屋を移動する。

「あいつ、どこ行ったんだ?ちょっと見てくる」

ケンが後を追う。

「おーい!その部屋はダメだってぇ~!寝るならこっちさ来ーい!」

しばらくしてケン戻ってくる。

「あいつ親の寝室で寝てやがって」
「そういえば、ご両親は今日帰ってこないの?」

「はい^^旅行に行ってるんですよ」
「そっか^^それで、ここが会場になったわけね」

「親には内緒ですけどね^^;」
「そっか^^」

「ねぇ?香奈、タクシー呼ぶ?」
「うーん。駅近いし、駅前で拾います」

「じゃぁ、あたしが駅まで送るよ^^」
「わぁ~い♪」

「それじゃ、送ってくるわねぇ^^」

香奈ちゃん帰宅。
戻って4人で飲みなおす。

やいのやいの・・で、1時間経過。

「姐さーん。俺じゃダメっすか?馬鹿は相手にしないってか?」
「そんなこと言ってないでしょ!ばかっ!」

そんなあたしと龍平のやり取りを見て、美里はケラケラ^^
この子は本当に笑顔が素敵。
周りを幸せな気分にさせる笑顔って素敵よね^^
ケンも本当に良い彼女を持ったものね。正解よ♪

よく笑う子は疲れるのも早いのか、美里が瞑想状態に入った。
会話の所々で、なんとなく相槌を打つけれど、そのタイミングが微妙にずれている。
マバタキして目を閉じると、しばらく目を開けない。
オネムちゃんなのね。可愛い^^

「ケン?美里、そろそろ寝かせてあげないと^^」
「あ、はい。すみません^^;」

「美里~?もう寝るか?」
「うーん。だいじょぶ、だいじょぶ・・ふにぃ」

「あはは^^ケン?美里・・・強制退去^^」
「かしこまりました^^」

美里はずるずる引きづられて、隣のお部屋へ。

ケンがお布団を敷いている。
お姫様抱っこをして、美里をお布団の上へ。
なんか、キュんってしちゃった^^

襖をシュッとしめて、ケン、再び参戦。
ここで紅一点となったあたし。
今晩はとことん付き合ってやる^^

この段階で、後輩たちが持ち寄ったビール、チューハイ等がすべて空になった。
そこで、あたしが持ってきたタンカレーの登場。

「姐さんって、タンカレー好きなんですか?」
「うん、ジンだったらこれが一番好き♪」

「他には何が好きっすか?」
「うーん。そーだなぁ。ブッカーズも好きだよぉ^^」

「なに?それって、何酒?」
「あ!俺知ってるわ。それバーボンですよね?めちゃアルコール度数強いですよね?」

「おぉ^^知ってるんだ^^うんうん。60度以上あるかな?」
「ひゃぁ!すげーっ!火~噴くなぁ、それぇ」

「火、噴いてみたい^^?」
「火でも水でも、ご要望とあれば何でも噴きますっ!」

「じゃぁ。今度飲ませてやる^^遺書書いて来い^^」
「でぇ。このタンカレー、どうやって飲むんすか?」

「んとぉ。ロックね♪ロックが一番おいしいのよ^^」
「よっしゃーーっ!」

すっかり体育会系のノリになった男2人。
そうさせた紅一点のあたし^^;

「ガーーーっ!ノドが焼けるぅ」
「ちょっと水で割ってもいいっすか?」
「うんうん。ムリすんなぁ^^」

「姐さんって、マジ、酒強いっすよねぇ。酔わせて落とそうなんて。ムリだわなぁ」
「何それ?そんな計画があったわけ?」

「いや・・その・・計画変更っす^^;」
「何に変更よ?」

「俺が落ちるから・・介抱してもらうっす^^」
「放置してやるわ^^」

「おっ♪放置プレイもいいっすよねぇ!!」
「プレイを付けるな!あほっ!」

ケン、危険信号。
目の焦点があってない^^;

「ケン?大丈夫?そろそろやめておきな^^」
「はい・・情けねぇ^^;」

「いいんだよぉ。ムリして飲むもんじゃないって。自分の限界無視して潰れる方が情けないの^^」
「すまん!!俺、もう寝るわ」

ケン、愛妻の元へ。

「しめしめ。これで姐さんを独り占めだ^^」
「じゃぁ・・さしで勝負するぅ^^?」

「勝負はイヤじゃぁ~っ!」
「こらっ!しっ!隣で2人が寝てるのよ^^;」

ここからはテンションをグンと下げて、龍平とテーブルを挟んでヒソヒソ話。

「姐さん、彼氏と離れてからもう1年でしょ?寂しくないんすか?」
「そりゃ・・寂しいけど」

「なんていうか。したくなったりしないんすか?」
「はっ?」

「あの・・エッチを・・。モヤモヤしたりしないっすか?」
「なっ、なに言ってるのよ^^;」

「いや、俺の元カノなんて、1ヶ月もしなかったら狂いそうになるって。姐さんは、1年じゃないですかぁ」
「シラフでそんなこと言えるかぁ^^;」

「えっ!!まだシラフなんすっか!!ひょえぇ~もっと飲んでくださいよぉ。自分だけズルイすっよぉ」
「わかった、わかった・・飲むから。だったら酔わせてよ」

「うーん・・じゃぁ、一気!!」
「アホか君は^^;?そうやって酔わせるか?」

龍平、「うーん」とロダンの『考える人』がそっぽ向いたような形で、しばし天井を見上げて思案中。

「姐さんの横、行ってもいいっすか?」
「えっ?突然なに^^;?」

「ダメっすか?」
「うん。いいけど・・変なことすんなよぉ」

もそもそっと立ち上がり、立ち上がったところで一旦身体の揺れを止め、若干前かがみになって、あたしの方へ移動してきた。
こいつ、結構酔ってるなぁ^^;

「姐さんって、前から思ってたんすけど・・」
「なによ?」

「嫌いだったらごめんです・・加藤あいに似てません?」
「んと。誰?それ?」

「えっ?知らないんすか?」
「知らない・・芸能人?」

「女優っす。マジで知らない?」
「芸能人分からないよぉ^^;テレビ観ないもん」

「えっ!!そうなんすか?」
「うん。小さい頃から」

「さすがだ。やっぱりお嬢は違う」
「誰がお嬢だ^^;」

「テレビネタもダメかぁ~」と、再び考え込む龍平。

なんだ?この子は話題を探してるのか?

「姐さん、すげぇいい匂いすっよね。何付けてるんすか?」
「んとぉ。今日はエルメス。地中海の庭だよ^^」

「んと・・・。分かんね^^;俺、全然ダメっすよね。男の色気ないっすよねぇ」
「ぷっ!何それ?ハタチのガキんちょが色気も何もないでしょ^^;」

「でも、テクはあるんすよ!」
「何のテク?」

「エッチの・・」
「あっそ」

「うわぁ・・ダメだぁ~、全然ダメだぁ」

うな垂れる龍平を見てたら、とっても可愛くなって^^
ちょっとキュんっとなってしまった。
母性本能なのか。
ダメダメ君にホロっていっちゃう感じ。

シラフとは言ったものの、本当は結構酔っていた。
母性本能といたずら心が混ざり合わさって・・自分でも信じられない行動に。

「龍平?」
「はい?」

龍平がボヤっとした視線のまま、あたしの方に顔を向けるなり・・ちゅっ♪
龍平の唇に軽くキスをした。

とっさに、龍平が顔を遠ざけた。

「やべぇ。姐さん、すみません!俺、そんな」
「ばかっ。謝るな」

「いえっ!すみません!本当にごめんなさい」
「よしよし^^もういいから^^」

そう言って、龍平を引き寄せて・・ぎゅっと抱いた。

龍平の気持ちには気づいていた。
龍平がサークルに入ってきた当初から、分かっていた。

6月くらいだったかな、一緒に飲んだよね。
入部当初はやけに元気な奴という印象だった君が、徐々に色褪せるように後退していくようで、それが気がかりで、あたしから飲みに誘ったのよね。

高校までは誰にも負けなかった。
常に学校のトップだった。
天才と言われて育ってきた。
それが、大学に入ったらただの人になってしまった。
本当に悔しかったんだろうね。
あたしの前で泣きながらそう言ってたね。

「ねぇ?もう負けを認めたの?仮に負けだとして・・あなたの価値ってそれでなくなっちゃうの?」
「いえ」

「上とか下があるとしてね、じゃぁ上に立ったらどうなるの?」
「優越感とか」

「優越感に、それほどの価値があるの?たかだがテストの点の良し悪しでしょ?それで味わってきた優越感でしょ?人の価値ってそれだけ?」
「いえ」

「今あなたは初めて挫折したのよ・・そこからどうやって身を起すか。挫折や失敗をどう次に生かすか。そこに真価が問われるんじゃない?」
「はい」

「じゃぁ、起き上がりなさいよ。上とか下とか、そんなチンケな世界にいないで。もっと大きな世界に行きなさいよ。あなたの真価見せなさい」

龍平もあの時のことを思い出してたのね^^
ぎゅっと抱きしめて、しばらくお互いに黙っていたら・・・。

「姐さん。俺、あの時に生まれ変わった気がします。真価見せろって言われて」
「うんうん・・分かってるって^^」

龍平、斜に構えて人を見下す感じだったのに、見事な転身よね^^
壊れキャラ^^

「俺、友達いなかったんすよ・・高校まで。でも、自分が変わったら、周りもこんなにも変わるんすね」
「点数かき集めるよりもずっといいでしょ?友達は財産だからね」

「今の自分、めちゃ好きっすよ^^」
「よしよし。いい子^^」

さらに、力を入れてぎゅっと抱きしめた。
普段はなんだかんだ悪態をついてるけれど、本当は、この子が可愛いの。

「うわ・・姐さん、マジやべぇ」
「何が?」

「胸・・マジ柔らかいっす」
「そう?触りたい?」

「えっ!マジっすか?」
「ばか。ウソだよ」

「ってか・・やべっ・・勃っちゃった」
「えっ^^;ホントに?」

「えぇ・・そりゃもう」

いたずら心炸裂。
時間も時間だし、アルコールも入ってるしで。
ここからの展開に対して、事前に自己弁護^^;

「どれどれ。」

龍平の股間へと手を伸ばしてしまったあたし。

「うわっ!」
「ホントだ^^すごいことになってるねぇ^^」

手の平をピトってあてがっただけだったけど、龍平のソコの熱が即座に伝わってきた。
手の平全体に伝わる、その存在感と熱。

その熱によって炙り出されるように。
身体の奥底から何かがジュワっと染み出すような感覚。
中指の先で、龍平のソコを、下から上へ。

「マジやべぇ・・それだけで出ちゃいそう」

「何?早漏なの?」
「違いますよ・・姐さんの手がソコにあるって思うだけで、もう出ちゃいそう」

「じゃぁ・・出すか?」